Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

あの墓穴の中での、わしの苦悶恐怖は、決して決して、ナイヤガラを飛下った男のそれに劣るものではない。実に歴史上に前例もない様な、恐ろしい経験であった。相好の一変したのも無理ではない。髪の毛が真白になってしまったのも尤もだ。

それにしても、アア、何という情ない姿であろう。これが昨日までの大牟田子爵その人かと思うと、あまりのみじめさに、泣かずにはいられぬのだ。

さっき墓穴を抜出した時の喜びは、忽ちにして、底知れぬ絶望と変ってしまった。わしはこの顔で、この姿で、瑠璃子に対面する勇気はない。彼女は一目見てあいそをつかすだろう。イヤ怖がって側へよりつかぬかも知れぬ。仮令又、彼女の方ではあいそをつかさずとも、この醜い老人が、あの美しい瑠璃子の夫として、平気で同棲していられるものか。それでは、あれがあんまり可哀相だ。わしが鏡の前に立ったまま、いつまでもじっとしているものだから、古着屋の主人はもどかしがって、

「お客さん、どうですね。この袷じゃ気に入りませんかね」と声をかけた。

わしはハッとして我に返って、どぎまぎしながら、

「いいとも、丁度わしに似合いだよ。それで結構だよ」