Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つぶてしんじゅう

礫心中

野村 胡堂

Lisez 礫心中 (つぶてしんじゅう) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 190 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

樹上の鋏樹下の太刀

「ハッ」

堺藤兵衛はその儘引下るより外にはありません。

事志と違い、怨嗟の府となった水野越前守も、自分の屋敷内から、主殺しの大罪人を出すに忍びなかったのでしょう。

腰元のお豊は、畳に額を埋めて、何時までも何時までも差控えて居ります。

間もなく膳部は係りの者の手で、ソッと調べられました。当時の事でよくは判りませんが、猛毒○石らしい白い粉が、飯の間に交って居たのを、かすかに見たとも言われて居ります。お毒見役武田幾之助は、毒薬の量が少なかった為か、それとも根が丈夫だったせいか、さしたる事もなく平癒しました。

樹上の鋏樹下の太刀

その事を一段落に、越前守の健康は一日一日と恢復しました。

「秋日和の庭は一入の風情だろう、豊、伴をせい」

「ハッ」

「他の者は遠慮をするがよい」

水野越前は、お豊に太刀を持たせて、泉水を遶り、築山を越え、屋敷から遠い、巨木の木立の中へ入って行きました。

燦々と木の間を降る秋の陽、振り袖に持ち添えた太刀から、お豊の円い首筋に落ちて、得も言われぬ艶めかしさです。

「好い日和じゃのう、紺碧の空が透き通って、まだ紅葉には早いが、――小鳥が楽しそうに鳴いて居る」