Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

Lisez 篝火の女 (かがりびのおんな) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 727 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

『安中三郎進のため、戦の軍功帳の誉れは見事奪られたわけか』

『そのかわりに、見ておれ、こんどの安中攻めの合戦では、熊楠が、いつもの戦以上に強いから――』

笑い興じていると、すぐ下の河原のふちで、馬蹄の音が、戞っ――と石に響いた。

『あっ、戻って来たらしい』

『熊楠か』

魚住十介を初め、ぴりっとして、口を緘んでしまう。

陣幕の外の士卒に、駒をあずけて、相木熊楠はずかずかと入って来た。鎧の鍛具や太刀の柄に、雨のしずくが燦々と溜っている。

『残念なことをした』

床几へ、ずしりと、腰をおろして、

『喉がかわいた。十介、水をくれ』

と、よほど無念らしい。

魚住十介は、水柄杓へ一掬い汲んで渡しながら、

『八雲は、捕まりましたか』

『ばかを申せ』と、怖しく不機嫌で――『八雲がこの舟橋をこえたのは、すでによほど前ではないか。余りに時刻が経ち過ぎている為、いかに駒をとばしてみても見当らぬ。それに国府津の郷から先は、岡本勝政の陣所となる。いったい、この密告は、何者から出たのか』

『筏方の丑蔵と申す者ですが』

『不届きな奴、八雲を落しておいて、時経てから、忠義がましく訴え出るなど、食えぬ下郎ではある。