Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

Lisez 篝火の女 (かがりびのおんな) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 727 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

『そうか……いや、そうかも知れない。……折角、味方の里見義介が捕えてくれたあの女を、吟味の都合上、俺の陣屋へ受け取ったはいいが、もしも亦、逃げられでもしたらいい恥をかくと、それを常に気がかりにしているから、夢にまで、八雲が逃げた夢を見てしまった。ははははは』

『もう、二十日あまり、仮屋に寝かしてありますから、体もすっかり癒ったはずです。今夜あたり曳き出して、お調べになっては何うですな』

『まあ急ぐことはない』

と、かぶりを重く振って、

『――今日は俺も戦につかれている』

『それもそうで』

『ただ、逃がさぬ様に、逃がさぬように』

『十名ずつ、交る交るに、番を立たせてあります故、それはお案じなく』

十介が立ち去ると、彼は又、楯のうえに、具足の音をずしりとさせて、手枕をかってまどろんだ。

ここは、妙義山を後に負って、碓氷川を前にした丘の陣地だった。敵の安中越前守と三郎進の父子が立て籠っている松井田の城は、川を距てて此処から指さすことのできる要害な地にあった。

妙義、浅間、榛名の三山のふところに囲まれているようなこの城の地の理には、武田勢も手をやいてしまったらしい。