Classiques japonais avec furigana
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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
Lisez 論語物語 (ろんごものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 688 caractères · 266 écrans
――八※(「にんべん+(八がしら/月)」、第3水準1-14-20)篇――
孔子は、一日も早く衞の国を去りたいと思った。それは、霊公が彼に対して、粟六万を贈るほどの好意を示したのも、単に君主としての体面を飾るためであって、政治の上に少しでも彼の意見を反映させようとする、真面目な考えからではない、と見て取ったからである。加うるに、公の夫人南子は乱倫の女であった。彼女の日々の生活を見聞することは、道に生きんとする孔子の到底忍び得ざるところであった。
ただ、衞にはすでに多くの門人が出来ていた。魯は彼の郷国だけに、門人の数も非常に多かったが、魯についで多いのは衞であった。彼は、これらの門人たちのことを思うと、無造作にはこの国を去りかねたのである。
彼は、以前にも、ほんの僅かの間ではあったが、一度衞に遊んだことがあった。それは、彼が魯の大司寇を辞めた直後であった。その後、鄭に行き、陳に行き、再び衞に戻って来たのであるが、彼はそうした遊歴の間に、いやというほど諸侯の心情の浅ましさを見せつけられた。で、彼の心境は、徒らに明君を求めて放浪するよりは、静かに子弟の教育に専念したい、という風に傾きかけていたのである。