Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

佐々のうちのものが、十月二十四日にパリを立っていたことはよかった。建築家として大規模な仕事に関係している泰造は、この恐慌の間接な余波を、何かの形でうけずにすまないことは明瞭だった。多計代が自家用の自動車にのり、伸子が少女時代にすごした佐々の家庭とはまるでちがった空気の中でつや子の少女期が送られているのも、第一次大戦中日本の船会社が莫大な利潤を得たことと無関係ではないのだ。

ウォール街の恐慌が、世界の資本主義そのものの上にあらわれた不吉な斑点であって、それは次々の矛盾のばくろ、ファシズムへの結集、戦争、やがてはそのような全体制の崩壊を予告しているものであるということを、伸子は承知しないわけに行かないのだった。

散歩のとき伸子は、蜂谷良作に、

「これをあげるわ」

と、一つの白い封筒をわたした。

「なに?」

半信半疑で伸子の顔を見ながら、蜂谷は、手のひらの上におかれた封筒を眺めた。

「いやに軽いんだな」

「きれいなものよ」

ゆっくりした歩調で歩きつづけながら蜂谷は、封のしてない封筒をあけて、その中から、白い小さい紙につつんだものをとり出した。

「何だろう」

なかみが出て来る段どりを面白がりながら、伸子はまた、