Classiques japonais avec furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
と答えているのをきくと、伸子は時代錯誤を感じた。かつて人につかわれたものが、人をつかうようになったときの、人使いの荒さを感じさせられた。
三年たって、また、伸子と素子とがパッサージで暮すようになった今、伸子たちの間で海坊主とよばれたボリスはもうパッサージにいなくなっている。洒落ものの、小指に指環をはめて、栗色の美しい髭にこてをあて、まき上げているノーソフだけが働いていた。しかし、おしゃれのノーソフは、もう三年前のように、サモワールをもったり、黒い大盆を肩にのせてたりして三階をのぼりおりし、はずむ息でスルーシャユ・スと云わないでもよかった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のホテル経営管理委員会は、五ヵ年計画による一つの改善として、パッサージのような内国旅行者のためのホテルでは、宿泊人は茶をのむことも食事も食堂でするようにとりきめた。そのかわり、宿泊人はいつでもホテルの台所へ行って、旅行者がステーションで熱湯をもらって来るように、熱湯をもらえるようになった。
伸子は、この新しいホテル生活の日常的な変化を心から歓迎した。ハルビンからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来るとき、知人がもたせてくれた大きい籐籠から、伸子は、これもハルビンで買った空色エナメルのかかったヤカンをとり出した。