Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

は無かったから。――パリへ来てみると、鶏は高価なものとされていて一般家庭の食卓へ出されるものでなかった。伸子も今はそれを知った。ムロンと云えば、それは日本でメロンをいうときと同じに、カンタロープその他の高級品をさすこともわかった。ヴォージラールあたりのちょっとした店では、ごく新鮮とは云えない桜んぼうを売っているが、ムロンはおいてはいないのだった。

タイプライターのおいてあるホテルの室の化粧台の上に、チーズや桜んぼうをひろげて二人で食べながら、伸子は、フランス婦人が、ウクライナの畑にころがっている西瓜を見て、あんなに愉快そうに、おどろいた顔をしたときのことを素子に思い出させた。

「そう云えば、ほんとにあのひとは感動したと云えるぐらいの顔つきだった」

「わたし、いま、わかったようだわ。あのひと、もしかしたら、あの畑の西瓜を、パリのムロンと同じものだと思ったんじゃないかしら。夕方だったし……」

「なるほどね」

「ここじゃ、鶏って相当の贅沢でしょう? ロシアではもっと日常性をもっているわ。丸やきの鶏をあのひとお弁当にもっていて、それもロシアの田舎風のゆたかさと思っていた上に畑ではデザートのムロンがごろごろしているって、心をうたれたのじゃないかしら。