Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

伸子としては、自分が自分の頬を素子の頬にふれさせたい気持になることがあること、唇をふれ合うこともあること。そういう感情や表現を、そっくりそのまま男と女との間のことと同じとは感じていなかった。それはちがうのだもの。素子は女なのだもの。未開のままその生活からはなれたと云っても、伸子は佃と恋愛した。夫婦の生活をした。伸子にとって男と女のちがいは、自然がそれを区分しているとおりはっきりしていて、素子は男の代償という意味ではなく、どこまでも女として、友達として、しかし、そこには頬をふれる気持になるようなところのある女友達として、伸子は結ばれているのだった。

モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来て暮すようになってから、伸子と素子の生活は、駒沢にいた時分より、ずっとのびやかに、解放された。特に男たちから、伸子と素子との表面の暮しのかげに、なにか偏奇なグロテスクなものでもありそうにのぞきこまれる苦痛がなくなった。それに抵抗して、強いても二人を一組に押し出そうとするような伸子のうらがえされた恥辱感も消された。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では、伸子たち二人が、つれだって遠い国から来ている外国の女たちだからと云うばかりではなかった。