Classiques japonais avec furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
それは二月五日の日づけだった。二つの日づけをみくらべて、伸子は、ものすごいスピードだと思った。たった二週間たらずのうちに、田舎の家へ行くさえも一騒動の多計代がこれだけのことをきめてしまった。いかにも多計代らしい一図さ。情熱的な強引。動坂のうちににわかにまきおこされた旋風状態が察しられるようだった。間に、和一郎と小枝の結婚式までさしはさまれて。
でも、その和一郎と小枝との結婚について、新しく着いた多計代の手紙の上にあらわされている感情は、期待とちがう沈静、冷淡とさえうけとれる調子で伸子を意外に思わせた。このたびいよいよわれわれ外国行につき、和一郎と小枝の法律上の手続が必要になったから、来月十四日を吉辰として挙式のことに決定。母親のこころは、はかりしれない慈愛をもってこの若い二人の前途を祝福しようと、それぞれ準備中です、とかかれていた。この調子は事務的だった。どことなし、われわれ外国行につき、必要だということが主眼で和一郎と小枝の結婚式は行われることのような感じを与える。「ああ、でもこの母が、出入りのものの祝儀の言葉に何げなくほほ笑んでいる、その胸のうちを何人がわかってくれるでしょう。