Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

黒川は声をたてて笑った。

「佐々伸子さんが、プロレタリアになって、小説なんかやめて、どこかのホテルの掃除女になるってわけですか」

たかぶる感情をしずめようとして伸子が沈黙しているのを、黒川は自分の意見に彼女が説得されはじめたと思ったらしかった。

「僕は人道上から、そういうことは許せません。佐々さん自身にしたって、事実がそうなって現れたとき、それにたえることはできないにきまってるんだ。ボルシェビキのすることをごらんなさい。プロレタリア独裁がはじまるとすぐ、それまでは仲間づらをして利用したインテリゲンツィアをどう扱いました?」

そういう黒川の一つ一つの言葉は、きいている伸子の心に百の抗議をよびさまして、それを黒川へ直接の悪態とならないように、順序だてていうためには伸子の全心の力がいった。伸子は、そっと深い息をひとつして、

「よくて、黒川さん」

ふだん話すときより、二音程ばかり低い声で云い出した。

「あなたは、大変上手に、率直に云えば人をひっかけるようにお話しなさいます。だけど、それは間違いよ」

何か云おうとする黒川を伸子はおさえて、

「第一に、インテリゲンツィアは、労働者階級や資本家の階級のような意味での階級ではありません。