Classiques japonais avec furigana
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きょうしゅうのしじん よさぶそん
郷愁の詩人 与謝蕪村
萩原 朔太郎
Lisez 郷愁の詩人 与謝蕪村 (きょうしゅうのしじん よさぶそん) de 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 038 caractères · 78 écrans
春水や四条五条の橋の下
春の海終日のたりのたりかな
橋なくて日暮れんとする春の水
春風や堤長うして家遠し
春雨や人住んで煙壁を洩る
赤や青やの派手な色をした更紗が、春風の中に艶かしく吹かれているこの情景の背後には、如何にも蕪村らしい抒情詩があり、春の日の若い悩みを感ずるところの、ロマネスクの詩情が溢れている。
春水や四条五条の橋の下
この句を読んで聯想するのは、唐詩選にある劉廷芝の詩「天津橋下陽春ノ水。天津橋上繁華ノ子。馬声廻合ス青雲ノ外。人影揺動緑波ノ裏。」の一節である。おそらくは蕪村の句も、それから暗示を得たのであろう。唐詩選の詩も名詩であるが、蕪村の句もまた名句である。
春の海終日のたりのたりかな
だれも知ってる名句であるが、のたりのたりという言葉の音韻が、浪の長閑な印象をよく表現し、ひねもすという語のゆったりとした語韻と合って、音象的に非常に強く利いてるのである。
橋なくて日暮れんとする春の水
こうした春の郊外野景を描くことで、蕪村は特殊の画才と詩情とを有している。次の句もまたこれと同題同趣である。
春風や堤長うして家遠し
この句は「春風馬堤曲」の主題となってる。春風馬堤曲は、蕪村の試みた一種の新しい長詩であって、後に紹介する如く、彼のポエジイの最も純粋な主題的表現である。
春雨や人住んで煙壁を洩る