Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans

Aozora Bunko

て、嘉七の鼻の先へ持って行くのでした。

「この振袖は、月見の晩、年を取った方のお酌の着て居たものに相違あるまい」

「ヘェ、そのようで」

平次は合図する間もありませんでした。裏口へ飛出した後家のお染は、下っ引のマゴマゴする手の下を掻いくぐって逃げてしまい、表へ飛出した美少年の米吉は、八五郎の手に、骨を折らせながらも縄を打たれてしまったのです。

*     *

薄墨華魁のお染が、水死体になって大川に浮んだのはその翌る日、美少年米吉は、吾妻屋永左衛門と、伊豆屋の虎松を殺した罪で、獄門になったのはその後のことです。

一件落着後、平次は八五郎の為にこう説明してやったのです。

「米吉は坊士禿から成人して色子になり、お染の薄墨太夫に拾われて、その間夫になったのさ。商売女のいか物喰いだよ。吾妻屋に身請されてからも、顔の一寸似て居るのを幸い、弟ということにしてつれ込み、不義の契を重ねて居たが、矢張り吾妻屋永左衛門が邪魔になって殺す気になったのだ」

「ヘェ? 恐しい女ですね」

「もっともあの月見の晩は、吾妻屋の方にも悪企みがあった。最初果し合いに持出した徳利には、二本共南蛮物の毒薬を仕込み、大井久我之助は何方を取っても、助からないように仕組んだのだ。