Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 696 caractères · 310 écrans
「そいつは早速で面喰らわせるぜ。どこに居るんだ、その敵役は?」
「先刻、この旅籠屋の入口で、番頭と話しているのを二階の窓から聞きました、――親分が泊っていらっしゃると聞いて、夜道をかけて函嶺へ登ったようで――」
「ヘエ――、昨夜はあんなに俺を追い廻して、今晩は向うが逃げ廻るのかい」
「親分さんが敵討の助太刀をすると気が付いたのでございましょう」
「今晩は御免蒙ろうよ、お六さん」
平次は没義道にクルリと背を見せました。
「でも、親分さん、あんなに堅くお約束をしたはずではございませんか」
「俺は約束をしたような覚えはねえよ。お六さんが自分の心持で一人極めにしたんじゃないか」
「でも」
敷居に崩折れるように、お六の怨じた眼は妖艶を極めます。
「それに、俺は夜の仇討が大嫌いさ。同じなら、竹矢来を組んでよ、検視の役人付添いの上、ドンドンと太鼓を叩いて、揚幕から静んず静んずと出てみたいやな。鎖帷子に身を固めて、大ダンビラを肩でしごくと、後ろから真っ赤な朝日が出る、――みんな極った型のあるものだ」
平次はすっかり茶化し気味です。
「親分さん、本当に真剣に聞いて下さい。久留馬登之助の隠れ家は、湯元から山道を入って、ほんの五六町のところにあります。