Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 804 caractères · 225 écrans
下品で、身勝手で、浮気っぽくて、物事に裏表のある関係でしょう。
吉弥は十四にしては出来過ぎたほう。弟の京之助は五つで何にもわからず、若党の三次は房州の者で、おしゃれで、金遣いの荒い渡り者。爺やの熊吉は秩父の奥から出て来た、山男のような親爺です。
これだけ判ると、何の変哲もない調べの中から、平次は何やら呑込んだ節があるらしく、一人でうなずいて事件の発展を待っておりました。
事件の発展――それは思いも寄らぬ形で、その翌る日は江戸中を驚かしておりました。
「親分」
飛込んで来たガラッ八。
「また大騒ぎが始まったろう、今度は何だ」
「神津の若様が行方不明だ」
「何?」
平次も思わず起ち上がります。
「昨夜宵のうちに脱け出したっきり、今朝になっても帰って来ねえ」
「二千両に釣られたんじゃないか」
「あっしもすぐそう思いましたよ。あの彦徳の源太の野郎が、可哀想に十三や十四の若様を誘い出したんじゃあるまいかと、大滝も鼠坂も見ましたが、影も形もねえ」
「フーム」
平次も唸るばかり。
「気の毒なのは神津の殿様と、お江野とかいうお妾だ。邸の中は言うに及ばず、小日向中血眼になって捜し廻ったが、どこへ行ったか見当もつかねえ。