Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

「野郎ッ」

と叫んで、天満の万吉、土橋の欄干を飛び離れたが、その一方には、眼を爛とかがやかして身を屈している者がある。

かれの姿が躍るやいな、待ちかまえていた柄の手は鞘を離れて、横に走ったそぼろ助広、ザッと、万吉の腰車を斬った。

「ううッ……」と一声。

人間断末の呻きをすごくあげて、爪先立った万吉の体は、キリキリと弦に締められてゆく弓のように空をつかんで後ろへそる――。

そして、したたかに腰へ食い入った助広の手元へ引かれて、ドーンと、土橋の上へ仰向けにぶッ仆れた。

「斬ッたな!」

と、面を衝いてくる血の香に身をかがめながら、こう賞めたのは周馬である。黒々とあなたに潜んでいた原士と一緒に、命脈の名残をピクリ、ピクリ、とふるわせている万吉の影をジッとみつめた。

「……ひと太刀だ……」とお十夜は、胸がすいたように、また、その快味の消逸を惜しむように、斬った刹那の構えをくずさず、白い刃の肌にギラつく脂と、のた打つ影とを等分に眺めながら、ニイ……と唇をゆがめて笑う。

と――もう天堂一角の方は、それには一顧のいとまも与えず、抜刀をあげて川下を指し、

「あれだ!」と叫んで走りだした。