Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

その境の掘井戸へお吉がなにげなく水桶をさげてゆくと、家の横に三人の侍が、黒い影をたたずませていたので、思わず、胸を騒がせた。

「誰だろう?」

気味の悪さに、手桶をそこへ置いたまま、お吉は流し元へ戻ってきてしまった。男のない家――主人のいない留守の家は、ともすると、こんなおびえに襲われる。

まして、万吉がああいう身の上でいる場合。

「妙な素ぶりの侍が三人まで? ……今、私の帰るのをつけてきたのかしら」こう思い惑って、身を縮ませたが、気をとりなおしてカタカタと香の物を刻み始めた。だが、妙に、動悸がしずまらずにいたので、庖丁の端で小指を切った。

血の出た小指を吸いながら、あわてて座敷へ駈けこんだお吉は、針箱の抽斗をかき廻して、小布を探しているふうだったが、その物音を聞きとめたものらしく、誰か、中二階の腰窓をあけたかと思うと、梯子の上から、

「おばさん」

と呼ぶ声がした。

若々しい女のあたりをはばかる声だった。

指を小布で巻きながら、お吉はそれへ上眼を送ったが、黙って、顔を振ってみせた。

すると、中二階の女は、ソッと腰窓の小さな障子を閉めかけたが、また思い出したように、前よりは低い声をして、