Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

五の四

栄二はあるきだした。

「大袖、大袖、大袖」と女の子の声がうしろで聞えた、「――大袖おろしておさーらい」

栄二はゆっくりと頭を左に右に振った。

五の四

「この人足寄場は牢舎ではない」とその寄場同心は云っていた、「――さきほどの申渡しをいまいちど聞かせるが、無頼、無宿の者は、ほんらい佐渡ヶ島へ送るべきところ、お上の格別なる御仁恵をもって、加役人夫に仰せつけられたものである」

この寄場は他の牢とは違い、収容者を罪人とはみなさない。衣服は規定によって、柿色に水玉を染め抜いた物を着せるが、髪毛はそのままだし、亭主のある女はかねをつけてもよい。手に職のある者はその職にはげみ、職のない者は好みの職を身につけることができる。それらの作業には賃銀が支払われるし、それはやがて世間へ出たとき正業につく元手になる、――寄場同心のそういう言葉を、栄二はまるで聞いていなかった。越前堀のところでお手玉をしていた、二人の小さな女の子の姿が眼についてはなれず、その声がいつまでも耳の奥に聞えていた。おひだーり おひだーり だーりだーりだるまのめ。栄二は唇を噛み、眼をつむった。小僧のころ綿文の奥座敷で、おきみやおそのや、その友達の小さな女の子たちの相手をして遊んだときの、自分の姿が見えるようであった。