Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
八の三
おすえは怯えたように栄二を見た。
「ここを出たらな」と栄二は囁いた、「綿文にも、い組の頭や若い者にも、目明しの太田屋と子分の島造にも、一生涯わすれることのできねえような思いをさせてやる、きっとだ、この首に賭けてもやってやるぜ」
おすえは両手で顔を押え、声をころして咽びあげながら、とぎれとぎれにきいた、「――じゃあ、あたしはどうなるの、栄さん」
八の三
「おれのことなら諦めてくれ」と栄二は顔をそむけて云った、「おらあおめえを初めて見たときから好きだった、そして、女房を貰うならおめえだと、独りで心にきめていた」
さぶちゃんから聞いたわ、とおすえは口の中で呟いた。
「だから金や荷物を預かってもらったんだ、あのときはまだおめえといっしょになって、小さな経師屋でもやるつもりだった」栄二は吐きけでもこみあげてきたように、するどく眉と口を歪めた、「――だがもういけねえ、なにもかもご破算だ、この島から出たらおれがなにをするかは、いま云ったとおりだ、おれはまえの栄二じゃあねえ、おめえともさぶとも縁のねえ人間なんだ」
「そうきめないで、栄さん」嗚咽しながらおすえはかぶりを振った、「そんなふうにきめてしまわないでよ」