Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

十の五

十の五

相変らず緊らねえやつだな、と栄二は思った。しかしそう思ったときには、自分の意志とは関係なしに、言葉が口をついて出た。

「よく来てくれたな、いろいろ心配をかけて済まなかった」と栄二は自分の口が云うのを聞いた、「おらあもう大丈夫だよ」

「よかった、よかった」さぶは手の甲で眼を横撫でにしながら頬笑んだ、「おすえちゃんから話を聞いて、おらあ胆をつぶしちまってね、ここへ来ても会っちゃあくれめえかと思ったんだが」

話が諄くなるのを避けるように、栄二が遮って反問した、「おらあ大丈夫だが、おめえのほうはどうだ、病気はもういいのか」

「ああ、おれなんざ心配してもらうこたあねえよ、おのぶちゃんがいい薬を教えてくれてね、腹くだしのほうなんだが、それが治ったら脚気のほうもおさまったよ」

「すみよしへいくのか」

さぶは顔を赤くして俯向いた、「――どうもね」と彼はきまり悪げに云った、「三日もいかねえと、気がおちつかねえもんだから」

「まだ葛西にいるんだろう」

「それがね、そうじゃねえんだが」さぶは口ごもった、「――そのことについちゃあ話があるんだが、その話はおすえちゃんから聞いてもらうほうがいいと思うんだ」