Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
「けれども、恨むという気持は御法度だけで抑えられるものではない」と伯翁は熱心に、右手で額を撫でながら続けた、「――半殺しのめにあわされた男は、自分のしたいたずらを悔まず、相手のことを恨んで仕返しをしようとするかもしれない」
ここで教師は声に実感をこめようとして調子をさげた、「――火事がおこれば、火先の家を壊して火をくい止める、つまり、家一軒の犠牲で大火になるのを防ぐわけだ」
そこまで聞いて栄二は立ちあがった。
みんなの見る眼を背中に感じながら、彼は広間から黙って出てゆき、もっこ部屋へ帰った。教師の講話は紛れもなく自分をさしたものだ、岡安喜兵衛が指名してきたこともそのためだろう。まわり諄いことをするものだ、ばかばかしい、と栄二は思った。おれのしたことが悪いのなら、はっきりけじめをつけて罰するがいい。忍耐だの辛抱だの、茶坊主や侍大将なんぞをもちだすことはない。おれは唐のなんとかいう学者でもなし、茶坊主でも侍大将でもない。おれはほかの誰でもない表具職人の栄二だ、ぬすっとの汚名をきせられ、往来で叩きのめされ、島の寄場へ送られて、一生をめちゃめちゃにされた人間だ。