Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

「どうして」と栄二はきつい調子できき返した。

さぶは言葉に詰ったのだろう、包みを解いて六つの折詰をそこへ並べ、そのうち二つを栄二のほうへ押しやりながら、これはおのぶが栄二のために作ったもので、うまくはないかもしれないが躯に精をつけるものだから、と云ったということづけを、しどろもどろに述べた。

「こっちの四つは、部屋の人たちにあげてくれってね、そういうことだったんだが」

「今日もすみよしから来たのか」

「おすえちゃんもいっしょなんだよ」

栄二は自分を抑えるように頷き、それから静かにきいた、「――おすえもいっしょに来ているのか、それともすみよしへいっしょにいったっていうのか」

さぶは困惑したように口をつぐみ、右手の甲で額をこすった。なにか云いそびれているともみえ、云うべき言葉がみつからないようにも思えた。そして、まるで逃げ道でも発見したように、四つの折詰を持って立ちあがり、小屏風の外へ出ていって、与平にそれを渡しながらくどくどと挨拶をした。栄二は蒲団に凭れたまま、腕組みをして眼をつむった。なにを云いそびれているんだ、なにかあったらしいが、いったいどんなことだ、と彼は思った。