Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
「――おら、思うんだが」とうなだれたままでさぶが呟くように云った、「ときどきそう思うんだが、おれがあの人に惚れたのは間違ってた、おれなんか初めっから、女に惚れるような柄じゃねえんだ、おれのようなのろまがおのぶちゃんに惚れるなんて、まったくのお笑いぐさだったんだ」
「はっきり云ってみろ、のぶ公がおめえを笑ったのか」
さぶは首を左右に振った、「笑やあしねえ、あの人は泣いてた」
栄二はまた口をつぐんだ。
「おのぶちゃんはまえっから、栄ちゃんのことが好きだった、って云ってた」
「酔ってたんだろう、あいつは酒にも強いが、酔うと口も強くなるんだ、心にもないことをわざと云い張ったり、思ってることの逆を云ったりする、酔っているのぶ公の云うことなんか本気にするやつがあるかい」
さぶはゆっくりと、繰返し左右へ首を振った。
「おれがおすえといっしょになるつもりだってことも、のぶ公はちゃんと知っている、そいつはおめえにもわかってるじゃねえか」
「おのぶちゃんもそう云ってた」とさぶは低い声で云った、「けれどもそれでいいんだって、夫婦になれなくったっていい、一生涯でも栄ちゃんを好きとおすんだって」