Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
「足が痺れたんでね」と栄二が答えた、「ちょっと坐り直しただけだよ」
「てめえにききゃあしねえ、すっこんでろ」とどなりながら、義一は立って万吉のほうへ来た、「やい奴、うぬあつんぼか」
万吉は顔をさっと蒼くして見あげ、そこへ与平が走りよった。
「まあまあおまえさん、そう怒ることはないじゃないか」と与平は義一を押しなだめた、「すぐ向うに人見張りの小屋があって、役人衆が詰めているんですから、大きな声をだすと聞えてしまいますよ」
「うるせえ」と喚きながら、義一は与平を力いっぱい突きとばした、「老いぼれは黙ってろ」
そこへ松田権蔵がはいって来た。力まかせに突きとばされて、与平が土間へ転げ落ちたのを見たとき、栄二は眼の昏むような怒りにおそわれ、うしろの戸納に立てかけてある撞木杖に手を伸ばそうとした。それでどうしようという考えよりも、手のほうがさっと動いたのだ。そのとき引戸があき、赤鬼がはいって来たのを認めると、栄二は眼をつむって蒲団へよりかかり、深く長い溜息をついた。
「いい晩だな、うまくやってるか」と云って松田は土間にいる与平を見た、「――どうした与平、そんなところでなにをしてるんだ」