Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

「聞かしてもらおう」元のところへ戻って来て坐りながら、栄二が云った、「それはどういうことなんだ」

「あんたは綿文さんのにんき者でした」とおすえは云った、「――お嬢さんのおきみさん、おそのさんの二人とも、お店の娘と出入りの職人というより、まるできょうだいのように仲がよかったし、いつかは、どっちか一人が栄さんと御夫婦になる、っていう噂でした」

「栄さんなんて云うのはよせ」

「そんな噂を聞いて」とおすえは続けた、「そんな噂を聞くたびに、あたしは胸がつかえてごはんも喰べられなかったくらいです」

「おれの気持はわかっていた筈だぜ」

おすえは頷いた、「わかっていました、わかっていましたけれど、女って気のせまいものなんでしょうか、耳からはいる噂のほうが、本当のことのように思えたんです、このままではだめだ、自分は中働き、相手は綿文のお嬢さん、このままではとてもかなわない、いつかはあんたを取られてしまう、どうしよう、どうしたらいいだろうって、――思い悩み、考えあぐねて、あたしずっと、夜も眠れないような日が続いたんです」

「わかった」と栄二が云った、「それが本当のことならもうよせ」