Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
伊勢のどこだかおらあ覚えちゃあいねえし、覚えていたって頼ってゆけるもんじゃあねえ、おらあそのときくれえ自分にうちのねえことが悲しかったこたあなかった」
「知らなかった、おら、ちっとも知らなかった」とさぶが呟いた、「――それで栄ちゃんは、がまんしたんだね」
「銭も二度とはぬすまなかった」
二人は横網の河岸まで来てい、さぶが立停って、地面をみつめ、濡れて重くなった草履の先で、地面を左右にこすった。
「おら、思うんだが」と彼は心のきまらない口ぶりで云った、「――小さいじぶんおふくろにぶたれたことがある、弟のやつがいたずらをして、それをおれがしたもんだと思ってぶった、おら、泣きながらおれのしたことじゃあねえって云って、それから、弟のしたことだとわかったとき、おふくろは平気な顔で云った、それじゃあおまえはこれまでに、ぶたれるようなことは一度もしなかったっていうのかい、ってさ」
「女なんてそんなもんだ」と栄二が云った、「撫でた手でつねるし、つねった手で撫でるようなことをする、そしてどっちもすぐに忘れちまうんだ、――少しはおちついたか、さぶ、もうここいらで帰ってもいいだろう」