Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
さぶは不決断にううと云った。
「ありがと」とさぶはよく聞きとれない声で云った、「ごめんよ、栄ちゃん」
「こんどは黙ってとび出さねえでくれよ」と栄二は云った、「これからはなんでもおれに相談してくれ、力になるからな」
さぶはゆっくりと頷いた。
二人は引返した。そして両国橋まで戻ると、うしろから十二、三になる少女が追って来て、せいせいと喘ぎながら声をかけた。
「この傘をさしなさいよ」と少女はから傘を二人のほうへ差出した、「姉さんのとこへ持ってゆくんだから、方角ちがいじゃだめだけれど、さあ、さしなさいよ」
栄二は少女を見た。自分でさしている傘は穴があいていた。着ているのも継ぎのあたった青梅縞の古袷で、帯はよれよれだし、はいている下駄はちびたおとな物で、それもすっかり鼻緒がのびているから、泥のはねた足指をまむしにしていた。
「いらねえよ」と栄二が云った、「おれたちは小舟町へ帰るんだ、さっさといっちまいな」
「あら、ちょうどいいじゃない」と少女はうれしそうに笑った、「あたしは堀江町よ、堀江町のすみよしっていうお店に姉さんが勤めているの、だからあたし、あんたたちのうちまで送っていってもいいのよ」