Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
──どこにも悪いところはないと言ってはおりますが、と言いながら神官は夫人を伴って村医の診療室に現われた。村医の聴診器は夫人の身体から何の異常も聞き出さなかった。しかし神官は納得しなかった。村医はそこに絶好の機会をつかまえた。かねがね村医は何かよい折があったら神官を大学病院へ送って一度診察を受けさせたがっていたのである。いなかでは病人が死んだ時に、あれは大学へまで行って手当を受けたが駄目だった、と言われるとだれにも満足してもらえるのだが、ただ本人に死病と気づかさずに大学病院へ送るところに技巧がいった。村医は巧みにこの時提案した。──外から見たところでは別に異常はありませんがね、いかがですか、一つ大学病院へ行ってエックス線でよく診てもらわれたら……。そして奥様だけじゃなく、ついでにあなたも──
──こうして神官夫妻は私の診察室にやって来たのであった。私はまず神官の方を透視した。
電灯が消える。まっくらな透視室。エックス線スイッチを入れる。さっと青く光る蛍光板。その上に瞬時にして人体の秘密は写し出される。一目見てそれとわかる胃がん。診断、予後、全く村医の意見のとおりである。