Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

文化生活

文化生活

東山さんからお茶に招かれた。戦争の前の話である。妻と二人客間に通された。じっこんの間柄だから堅苦しいあいさつもない。東山さんは先祖代々海の殿様──五島随一の漁場の所有者である。今の成金ではない。客間の調度は堂々として底光りしている。家族も高等教育を受けた教養の高い人ばかりだ。私らは奥様がもてなすメロンやココアを味わいながら、ブルジェの作品を論じたり、電蓄で雑音のないモーツァルトを聞いたりしばらく清談に時を過ごした。

快い酔い心地で二人はうちへ帰った。帰ってみるとわが家のみすぼらしさにいまさらのごとく驚いた。どっかりと六畳の間に座る。ぼくの机は刑務所の廉売会で手に入れた安物である。その上にエックス線写真やらノートやら原稿紙やら山積みしている。室の反対側にミシンがある。縫いかけのワイシャツの片そでがぶら下がっている。

「東山さんのおうちりっぱなものですねえ、あんなのを文化生活と言うのでしょ」妻がアッパッパに着替えながらしみじみ言う。

「うん、文化生活だ」

「あんな生活、私らには一生かかってもできませんわ」

「あれはぼくらに縁のない文化生活だ、東山さんのは文化を享楽する生活だよ、東山さんたちは文化の消費者なんだ」