Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
皿
灰
風媒花というものは自分勝手な恋愛ができぬらしい。麦の茎や葉の成長はすばらしくよかったが、穂は小さく収穫は少なかった。残存放射能の影響によるものと私は思った。
皿
のっぺらぼうの焼け跡に目につくものは灰の中にぴかぴかと陽を反射している皿、茶わんのかけらである。白い地に色あざやかに古伊万里の赤絵がそのまま浮かんでいるのも痛々しい。九谷の盛りばちがピシリ二つに割れて七福神が二人と五人に仲をさかれながら、やっぱりにこにこしていたり、柿右衛門の熟柿が焼けて干し柿になっていたり、はぎ焼きのうす茶わんのうわぐすりが荒れて、かえって面白くなっていたり、灰の上に座ってこわれたものを、亡びたるものの美しさよと飽かずもてあそぶ。それはみな過去のわが家のいろいろのまどいを思い出させるのだった。私は妻が日ごろ使っていた波佐見焼きの飯茶わんをずいぶん探したけれども見つけ出さなかった。見つけ出してもじき土深くうずめたにちがいない。
灰
わが家のあとを片づける。あの日からいくたびか雨が降ったので灰は固まっていた。灰にもいろいろある。書斎のあとには白い灰と黒い灰とがうず高く積み重なっていた。