Classici giapponesi con furigana
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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Leggi 三枚続 (さんまいつづき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.572 caratteri · 124 schermate
四十四
」
「ああ、」と真面目である。
「えゝと、こうだに寄って、はじまりから遣りますよ、拾銭也。」
「ああ、」と置く。
「八銭八厘也、可うがすかい。」
「ああ、」と置く。
「三十五銭也。」
「ああ、」と置く。
「それから二十八銭也。」
「ああ、」
愛吉は目を擦った。
「お嬢さん、貴女は手習はからっぺただっていうんですが、この字は細くって綺麗ですね。」
「ああ。」
「おっと、また二十四銭也。」
「ああ、」と置く。
「違った、二、二、二、二十二銭、そう、そう。」
と独りで狼狽えて独で落着く。
お夏は後生大事に、置いた処を爪紅の尖で圧えながら、
「ちらちらするね、きっと飲んでおいでだよ。」
「おっと、八銭也。」
早速珠を弾いて、
「ああ、」
「どうも一ツ一ツ、ああと返事をなさっちゃあ、その間にぽつぽつ、私なんざ及びッこなし、旨いものです。」
「旨いもんです。」とお夏は珠を凝視めたままで莞爾する。
愛吉はけろりとして、
「お次が二十八銭也。」
四十四
「お夏や。」
折から奥で衰えた声して呼んだのは、病の床に臥しているという母様。この声を聞くと、愛吉は胸を折って、肩の中へ頸を縮めて、口をむぐむぐと遣る。お夏はこれを見ぬようにしてちょいと見ながら、