Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
ぐるみふりあげるたびに空の右袖がぶきみな踊りをおどる。
せまい六畳の部屋。
源十郎の父宇右衛門は、老後茶道でも楽しんで、こころしずかに余生を送るつもりで建てた離庵であろうが星移りもの変わるうちに、それがどうだ! 荒れはてて檐は傾き、草にうずもれて、しかも今は隻眼片腕の狂怪丹下左膳が、憤怒のしもとをふるって女身を鞭うつ責め苦の庭となっているのだ。
くもり日の空は灰色。
本所もこのへんは遠く家並みをはずれて、雲の切れ目から思い出したように陽が照るごとに、淡い光が横ざまにのぞいては、仁王立ちの左膳の裾とそれにからまるお藤を一矢彩ると見るまに、すぐまたかげってゆくばかりで、前の法恩寺橋を渡る人もないらしく、ひっそりとして陽あしの早い七つどきだった……。
夜具や身のまわりの物を片隅に蹴こんだ寒ざむしい室内。わずかにとった真ん中の空所に、投げつけられたような櫛まきお藤の姿がふてぶてしくうつぶしていた。
ぐるりと四、五人男が取り巻いている。
土生仙之助、つづみの与吉などの顔がそのなかに見られたが、みな血走った眼を凝らして左膳とお藤を交互に眺めているだけで言葉もない。