Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
この声が貴様に聞こえんか」
「事は好まん……が、やむを得ん!」
源十郎、土気色の微笑を突如与吉へふり向けた。
「座敷からおれの刀を持ってこい!」
芝生――とは名ばかりの、久しく鎌を知らない中庭の雑草に腰をおろした左膳、手ぢかの道しばの葉を一本抜きとって、
「これ、見ろ、こいつにこんなにくれが来ている。してみると、二百十日から二十日までのあいだに一つ大暴風雨がくるかな。昔からの言いつたえに間違いはない」
などとのんきなことをいっていたが、やがて、つづみの与吉がひっ返してきて、こわごわ源十郎に大刀を渡すのを見ると、さすがにすっくと起きあがった。
「では、いよいよやるかな」
左膳の青眼は薄日に笑う。
「源十、死ぬ前にひとこと礼を言わせてくれ」
「死ぬ……とは誰が死ぬのだ?」
「きまってるじゃねえか。てめえが今死ぬんだ――」
「うふふ! 死ぬのは貴様だろう。なんでも言え。聞こう」
「だいぶ長く厄介になったな。ありがてえぞ……これだけだ!」
「ははははは」源十郎の笑声はどこかうつろだった。「鳥のまさに死なんとするやその声悲し。人のまさに死なんとするやその言うところ善しとかや――おい丹下、貴様ほんとに討合いを望んでおるのか」