Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
一組の男女。
櫛まきお藤とつづみの与吉が、地にしゃがんで話しこんでいた。
お藤は、燃える眼を与吉の口もとに注いで、半纒の裾を土に踏むのもかまわず、とびつくようににじり寄っている。
「それじゃあ何かえ、お前の言うこと、うそじゃあないんだね?」
その声のうわずっているのに、与吉はびっくりしてあたりを見まわした。
「姐御、そう肝が高ぶっちゃ話がしにくい。いえね、あっしもよっぽど黙ってようかと考えたんだが、あんまり姐御がかわいそうだから思いきってぶちまけるだけでね、何も姐御にこんな嘘をついたっておもしろおかしくもなかろうじゃありませんか。いえさ、これあただあっしの見当じゃあねえんだ。まあいわば丹下の殿様が白状したようなもんだから、まず動きのねえところでしょうぜ」
さっとお藤の顔から血の気が引くと、悪寒に襲われたように細かくふるえ出して、
「白状……って、丹下さまが何かおいいだったかえ?」
「さあ、そうきかれると困るんだが」と与吉はわざとひょうきんに頭をかいて、「白状でもねえな。じつあ寝言なんでさあ。へえ、その寝言を聞いてね、あっしが内密に探りを入れると――」
こう言いさして、棒片でしきりに地面を突ついている与吉は、お藤にうながされてあとをつづけた。