Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

夜妖の一つのように、丹下左膳が音もなくすべりこんだ。

「おそかったな。今ごろまでどこへ行っていた?」

それには答えず、左膳は用心深く室内をうかがって、

「連中は?」

「今帰ったところだ」

左膳は先に立って行燈の光のなかへはいって行ったが、続いた源十郎はちょっとどきりとした。

左膳の風体である。

巷の埃りに汚れているのは例のことながら、今夜はまたどうしたというのだ! 乱髪が額をおおい、片袖取れた黒七子の裾から襟下へかけて、スウッと一線、返り血らしい跡がはね上がっている。隻眼隻腕、見上げるように高くて痩せさらばえた丹下左膳。猫背のまま源十郎を見すえて、顔の刀痕が、引っつるように笑う。

「すわれ!」

源十郎は、夜寒にぞっとして丹前を引きよせながら、

「殺って来たな誰かを」

「いや、少々暴れた。あははははは」

「いいかげん殺生はよしたがよいぞ」

こう忠言めかしていった源十郎は、そのとき、胡坐になりながら左膳が帯からとった太刀へ、ふと好奇な眼を向けて、

「なんだそれは? 陣太刀ではないか」

すると左膳は、得意らしく口尻をゆがめたが、

「ほかに誰もおらんだろうな?」

と事々しくそこらを見まわすと、思いきったように膝を進めて、