Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
ひとりでしゃべりながら土間へはいってくる。
母娘とはいいながら、こんなに声が似ているものか! これでは自分がお艶と間違えて飛び起きたのも無理はない――と栄三郎、たたく水鶏についだまされて……の形で、思わず苦笑を浮かべながら、
「さあ、おあがりください」
と、自ら先に立ったが――
これよりさき!
栄三郎が格子戸をあけにいったあと。
ソゥッと音のしないように台所の障子をひいて、水口から顔を出したのは、宵の口から裏に忍んでいた櫛まきお藤であった。
見ると、枕あんどんがぼうと薄暗いひかりを投げて、その下に置いてある一本の脇差! 平糸を締めた鞘、赤銅の柄にのぼり竜の彫りもあざやかに……。
武蔵太郎は、栄三郎が戸口にたつ時に引っつかんでいったので、後に残っているのは坤竜丸ただ一つ! のぞいたお藤の顔がニッとほほえんだ。
左膳を伴い去ったまま今どこに巣をくっているのか、この妖女、栄三郎がおさよと二こと三こと格子先で立ち話をしているあいだに、この機をはずしては左膳様のおために坤竜を手に入れることもまたとできまい! おお! そうだッ! と思うやいなや、抜き足さしあし忍び足――。