Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

左膳は闇黒に瞳を凝らしたまま起きあがろうともしない。

「ええ。ひどい雪」

笑いながらお藤は歩み寄って、丹前の下から取り出した坤竜丸を、事もなげにつとその面前に突きつけた。そして、

「ナ、なんだ、これは?」

といぶかる左膳へ、

「坤竜丸ですよ。いま、あたしがちょいと栄三郎のところから盗み出して来ましたのさ。お藤の腕前はこんなもの――なんですね刀一本、大の男が四人も五人も飛び出して、大さわぎをすることはないじゃありませんか」

と、お藤はケッケとふしぎな声で笑いつつ、坤竜丸を左膳に渡したが、受け取った左膳、

「ナニ、坤竜?」

と叫びざま左手に握って、やみに慣れた一眼をキッと据えていたのもしばらく、真にこれが坤竜丸と得心がいくが早いか、何か言いかけたお藤をその場につきのけんばかりに、すぐ左膳、戸を蹴ひらいて戸外に躍り出た。

乾雲は庭すみに埋めてある!

と、こう思うと左膳降りしきる雪に足を早め、坤竜丸を帯して本所をさして急いだが。

同じ時刻に。

本所へ通ずる別の道を、これは乾雲をひっつかんだ諏訪栄三郎が、おなじく鈴川屋敷を指してひた走りに駆けていた。

鈴川源十郎にお艶を懇望され、その手切れの第一として、丹下左膳の隠しておいた乾雲丸を掘り出して来た。