Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
どうしてどうして、彼はさっきから薄眼をあけて、まわりに立ち並ぶ足の数から人数を読みとろうとしているのだが、外観はどこまでも熟睡の態で、狸寝入りの泰軒先生、やにわに寝語にまぎらしてつぶやき出したのを聞けば、
「おお、コレコレ与吉、松島みやげにたくさん泥人形を仕入れて参ったな。だが、惜しむらくはどれもこれも不細工、ウフフフフ都では通用せん代物じゃて……」
と言いおわるを待たず、それッ! 軍之助が声をかけたのが合図。
パァッ! と円形が拡がると同時に飛びこんで来た秋穂左馬之介、かた足あげて、泰軒がまくらにしている一升徳利を蹴った――のが早かったか、一瞬にしてその脚をひっつかみ担ぐと見せて急遽身を起こした泰軒が遅かったのか?
とまれ、それはほんの刹那の出来事だった。
間髪を入れない隙に、あッ! と人々が気がついたときは、左馬之介の身体は岩石落とし……削りとったような大断面を鞠のごとくに転下して、たちまち山狭の霧にのまれ去った。
あとには、一抹の土埃が細く揺れ昇って、左馬之介のおちた崖の端に、名もない雑草の花が一本、とむらい顔に谷をのぞいている。
けれど! 驚異はそれのみではなかった。