Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

「へ? いえ、ところがその……」

「待て、お前は両口屋のなんだ」

「若い者でございます」

「若い者といえば走り使いの役であろう。それに大切な金の用向きがわかるか――これ、番頭が並べて出し、拙者があらためて受け取って、証文に判をついてきた金にまちがいのあるわけはない」

「へえ。それがその、番頭さんの思い違い……」

「まだ申すか。なんという番頭だ?」

「う……」

と思わず舌につかえる与吉を、栄三郎はしりめにかけて、

「それ見ろ。第一、両口屋の者なら拙者を存じおるはず。拙者の名をいえ!」

「はい。それはもう、よく承知いたしております。ヘヘヘヘ、若殿様で――」

「だまれッ! 侍の懐中物に因縁をつけるとは、貴様、よほど命のいらぬ奴とみえるな」

「と、とんでもない! 手前はただ……」

「よし! しからば両口屋へ参ろう、同道いたせ」

と! 踏み出した栄三郎のうしろから、こと面倒とみてか、男が美いだけの腰抜け侍とてんから呑んでいるつづみの与吉、するりとぬいだ甲斐絹うらの半纒を投網のようにかぶらせて、物をもいわずに組みついたのだった。

来たな!

と思うと、栄三郎は、このごまの蠅みたいな男の無鉄砲におどろくとともに、ぐっと小癪にさわった。