Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
こう言われて夢八のお艶、通されたのは庭の池に面した表二階の一間だった。
人声と物音が綾をなして直下の道路に揺れている。
どこか遠くの部屋で、酒でも呼ぶらしくつづけざまに手を叩いていた。
廊下に小膝をついて障子をひきあけたお艶、
「ヨウ! 来たね」
という客の、すこし訛りをおびた嗄声で、なんだか聞きおぼえのあるような気がして、かすかにさげていた頭をあげ室内を見た。ちんまりと洒落た小座敷。
骨細のきゃしゃなあんどんをひきつけて坐っている町人のひとり……五十がらみのがっしりとした恰幅、色黒――鍛冶富!……鍛冶屋富五郎である。
「おお!」
「アレ!」
これがいっしょの声だった。
客というのは鍛冶富――嫌なやつ! と思っても、お艶の夢八、とっさに立つわけにもゆかず、さりとてそのままはいる気にはなれず敷居のところでモジモジまごまごしていると、こっそり遊びに来て芸者を呼ぶとそれが昔のお艶だったので、より驚いたのは鍛冶富だ。
「イヤッ! お艶さんじゃアねえか。お前さん、どうしたえ? 喜左衛門どんも始終うわさをしていたよ。この土地から芸者に出ているなんておらアちっとも知らなかった。