Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
ここに。
かの関の孫六の水火両様の奥伝というのは。
ひとつは火で、これは積みわかしにおける大沸かし小わかしのこつ。
他は水で、それは刃わたしの際のいささかの水工夫であった。
まことに。
水と火をもって鍛えにきたえる刀作の術にあっては、その水と火に一家独特の精髄を遺した孫六専案の秘法は、じつにいくばくの金宝を積んでも得難いものに相違なかったろう。
水火の密施。
ほかでもない。
個々の鉄体を積み、一種の泥水をかけて焼く時のちょっとした心得――小沸かしの伝と。
そのつぎに、鉄のまわりに藁灰をつけて熱火に投ずるまぎわのふいごの使い……大沸かしの仕方。
これが孫六の体得した火の法で。
水の法は。
すでに一本の形をそなえた荒刀を、刃渡しとして水中に沈めるときの、ほんのちょっとした水温と角度――にはすぎないけれど。
この関の孫六水火の自案。
口でいい、耳で聞いたくらいでアアそうかとたやすく会得のいくものならば、なんの世話もいらないわけだが、どうしてどうして孫六じしんが一生涯を苦しみ抜いた末、やっと死の床に臥す直前に、ふとしたはずみに心づいて、この刀道の悟りをひらいたという、いわば天来の妙法なのだから、技ここに至らんと希う者は、身みずから孫六のあえいだ嶮岨を再び踏み越すよりほかに、その秘術をさとり知るよすがはない――