Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
こう、美濃の国は関のあたりに散らばる兼の字をいただく工人一家のあいだに、長年いいつたえられて来ているのだった。
しからば。
関七流の長、孫六の把握し得た水火鍛錬の奥義、かれの死とともにむざむざ墓穴に埋もれはてたというのであろうか?
否!
大いに、否!
世に名工俊手と呼ばるる者、多く自己にのみ忠にして頑ななりといえども、また、関の孫六、いささかその御他聞に洩れなかったとはいえ、かれとても一派を樹立した逸才、よし自家相伝の意はないまでも、日本刀剣づくりの大道から観て、どうして己が苦心になる方策をおのれのみのものとして死の暗界に抱き去るような愚昧を犯そう!
必ずや、いずくにか、いかなる方法でか、この孫六の水火の秘技、今に伝わっているに相違ない……とは誰しもおもうところ。
事実、そっくりそのまま残っているのだ。
どこに!
水火一対――いまは所を異にして!
……と語り終わった得印老人のことばに、
「え?」
思わず急きこんで闇黒のなかに乗り出したのは弥生。
「それでは、アノ、その関の孫六の水火の法が、いまだに世に残されておりますとな――」
「いかにも!」
見えはしないが老士、暗中に大きくうなずいたらしかった。