Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
さては、あったら名人のこころづかいも空に帰して、水火秘文の合符、むなしく刀柄裏に朽ち果てる……のか。
と、見えたとき。
半生を鍛剣のわざに精進して、技熟達、とうとう孫六遺愛の鑢を手がけようとして箱をひらいたのが関正統の得印家に生まれて、何世かの兼光を名乗る、この子恋の森陰一軒家のあるじ、火事装束五梃駕籠の首領の老士であった。
この得印兼光は、じつに孫六の末胤だったのである。
――と、ここにはじめて素姓をあかし、名乗りをあげた得印老人のまえに、闇黒の部屋に坐して弥生は思わず襟をただしたのだった。
「何ごとにまれ、芸道の苦心は尊いものと聞きおよびまする。夜泣きの刀が、さような大切な文を宿しそのように因縁につながっておろうとは、父もわたくしも、いや、小野塚家代々のものがすこしも存じ寄りませぬところでござりましたろう。いかさま、雲と竜のふたつの刀、それでは切っても切れぬはずにござりまする。よくわかりました。それではわたくしも、微小ながら今後いっそう力をつくして、かの二剣をひとつに、必ず近くお手もとへお返し申すでござりましょう」
「いや! いや!」
滅相もない! といったふうに兼光はあわてて手でも振り立てたものらしい。