Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
あれの家には、実験所もできている」
斉彬は、人に命じて作らせている大蒸汽船、紡織機械、ピストンの鋳造機、電信機などの設計図のことなど思い出して
(調所は、可哀そうに――)
と、軽く胸をしめつけられた。
(当家は代々、内訌によって、いい家来を失うが、いつまで、この風が止まぬのか)
と、思うと、自分が、自分の命を脅かされ、子供を殺されても、無抵抗でいるのに、何うして、自分の近侍に、その気が判らないのかしらと、腹立たしいような、悲しいような気持になってきた。
「益満休之助、御目通りを」
と、襖外で声がした。
「益満、調笑の事を、御老中へ訴えたと申すのは、真実か」
斉彬は、もう、平素のように柔かな眼をしていた。
「はい」
「何んと、考えて、訴えたぞ」
「はい」
益満は、頭を上げて、正面から斉彬を見た。決心と、才気との溢れた眼であった。
「これより申し述べますること、御賢察願わしゅう存じまする。素より数ならぬ軽輩の身、もし誤っておりましょうなら、刀にかけて、申訳は仕りまする」
益満は、畳から、手を揚げて、膝の上へ置いた。
「最早、かの老人は、有害無益、為すべきことを為し終った上は、ただ一日も、早く死ぬべきものにござりまする。