Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ようかいはかせ
妖怪博士/青銅の魔人
江戸川 乱歩
Leggi 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 212.920 caratteri · 421 schermate
「おかしいな。たしかに、こっちへまがったね。」
「エエ、まちがいありません。」
三人はいいあわせたように、立ちどまって、耳をすませました。しかし、どこからも、あの歯ぎしりの音は聞こえてこないのです。
一方には戸をしめきった商家がならび、一方の線路の下は、ずっとあき地になっています。昔は倉庫に使われていたのですが、今は道路とのさかいの板壁もとりはらわれて、なんの目ざわりになるものもなく、そのへんいったい、一目で見わたせます。
三人は念のために、線路の下にはいって、あちこちとさがして見ましたが、あの大男がかくれているような場所は、どこにもありません。怪物は影ものこさず消えうせてしまったのです。
それからまた、手わけをして、そのへんいったいをくまなくさがしまわりましたが、やはりなんの手がかりもありません。
青銅の首を持ち、鉄の指を持つ怪物が、気体となって蒸発するはずはない。では風船のように、からだが軽くなり、フワフワと空へまいあがったとでもいうのでしょうか。
あの怪談ずきの青年店員は、よつんばいの怪物が、ちょうど花火からとびだした、紙製のトラのように、月夜の空を、高く高くとんで行くのが、かすかに見えるような気がしました。