Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
こう言いかけて、お俊は癖のように着物の襟を掻合せて、
「叔父さんやなんかのことは、自分の身に近い人ですから解りませんがネ……私の知ってる人で、一人も心から敬服するという人は無いのよ。あの人はエライ人だとか、何だとか言われる人でも、私は直にその人の裏面を見ちゃってよ――妙に、私には解るの――解るように成って来るの」
お延は叔父と従姉妹の顔を見比べた。
「私は二十五に成ったら、叔父さんに自分の通過して来たことを話しましょう。よく小説にいろいろなことが書いてあるけれど、自分の一生を考えると、あんなことは何でも無いわ。私の遭遇って来たことは、小説よりも、もっともっと種々なことが有る」
「そんなら、今ここで承りましょう」と三吉は半分串談のように。
「いいえ」
「二十五に成って話すも、今話すも、同じことじゃないか」
「もっと心が動かないように成ったら、その時は話します……今はまだ、心が動いてて駄目よ」
しばらくお俊の話は途切れた。暗い、静かな往来の方では、農家の人達が団扇をバタバタ言わせる音がした。
「しかし、叔父さんが私を御覧なすッたら、さぞ馬鹿なことを言ってると御思いなさるでしょうねえ」