Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

「いくら主だからというて、働きもせず、お酒ばかり飲んで。――帰ってくれば、母さんばかり虐め、わたし、腹が立つ……」

おつみも、もう年頃だった。ふつうなら嫁にも行く年だったが、この母を残しては嫁げもせず、この家計を知っていては、春着一枚はおろか、紅白粉などさえ、夢にも思えなかった。

「いうてくれるな」

と、母は涙もろい。

「父さんは、ああいう人じゃでな、あてにはならぬが、日吉もやがてよい若者になる程に、そしたら其女も、嫁入りさせよう。……だが、この母を見ても、良人はよくよく選ばぬと」

「母さん、あたし、お嫁にゆくことなど、まだ考えていませぬ。いつまでも、母さんの側にいて」

「女子はのう……そうもゆくまい。今の父さんには内密じゃが、前の良人弥右衛門様が、戦で傷を負うた時、御主君からいただいたおかねのうち、青ざし一貫文だけは、其女が嫁入りの代にと思うて取ってある。心がけておいた屑糸も、鞠にして七つも溜った。あれで小袖の一つも織ってやりましょうぞ……」

母のことばを遮って、

「あッ。母さん。……誰か土間へはいって来たようですよ」

「父さんか」

おつみは、そこから、身をのばして、土間の方を覗きながら、