Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate
群盗
群盗
とっぷり日が暮れていた。彼は手車を小屋の中へ押しこみ、井戸端で足を洗っていた。
この近郷で、陶器やしきとよばれているだけあって、茶わん屋の構えは、大きな土豪の家ほどあった。
母屋は広く、棟は幾つにもわかれ、倉も並んでいた。
「小猿う。小猿ッ」
於福が、近づいて来た。日吉は石井戸の蔭から身を起して、
「おい」
と、返辞した。
於福は、何が気に障ったのか、持っていた細竹で、日吉の肩を打ちすえた。日吉は拭きかけていた足をよろめかせて、また泥によごしてしまった。
「主人に向って、おいという返辞があるか。いくら云っても、言葉の直らない奴だ。わしの家は百姓じゃないぞ」
雇人の長屋を見廻る時だの、倉で働いている者へさしずに来る時は、この若主人はいつも、細竹を持って歩いている。日吉がそれで打たれたことは、きょうばかりではない。
「なぜ黙ってるのか」
「…………」
「これ、はいといえ」
「…………」
「いわないな。こいつ」
日吉は、また一つ打たれるよりもと、喉を宥めて、
「はい」
と、云い直した。
「清洲からいつ帰ったんだい」
「今帰りました」
「うそをいえ。台所の者にきいたら、もう御飯をたべたというじゃないか」