Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

の合戦の真ッただ中。矢矧の大河は、とうとうと押し流れてはいたが、矢矧の大橋はなかったのである。

小六と、一党の者は、当惑顔に、附近の木蔭に屯していたが、

「下る舟がなければ、渡しに乗って、対岸へあがろう」

と、一人がいうし、

「いや、もう夜が更けた。朝を待てば、舟があろう」

と、いう者もある。

だが、ここで屯するには、もう一度また、岡崎の城へ届けに行かなければなるまい――と、小六が分別を与えて、

「渡舟を探せ、渡舟一艘さえあれば、かわるがわる越えて、夜明けまでに、舟で下る道程ほどは歩けよう」

と、指図すると、

「いや、お頭目。その渡しの小舟さえ、どこにも見当らないので」

と、誰かがいう。

「ばかな!」

小六は、叱りとばして、

「一艘の小舟さえないと。そんな筈があるものか。――これほどな大河、昼中は、何で往来するか。戦のため、河止めというような、非常な時にせよ、そこらの蘆間や、河原草のなかに、物見舟は隠してあるものだ。よく眼をあいて、探し直して来い」

と訓えた。

呶鳴られた勢いで、彼の手兵は、河の上下へわかれて、五、六人ほどばらばらと駈けて行った。

その中の一人が、