Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate
彼女は、見るたびに、忌わしい気もちに囚われた。戦というものに顫きを覚えて、
(良人が何といおうが、日吉は、侍にはさせぬ)
と、思うのであった。
自分が木下弥右衛門へ嫁ごうとした頃は、良人を選ぶなら侍と思ったものであった。自分が生れた御器所の家も、小さいながら武家だったし、木下弥右衛門も足軽ながら織田信秀の家中だった。そして今、この納屋の煤に埋もれている具足も、夫婦になると同時に、
(未来は千石取りに)
と、いう希望を賭けて、欲しい世帯道具よりも先に、無理工面して、新調したものではなかったか。
夫婦にとれば、懐かしい思いでの品でもある――。
だが、そんな若い頃の夢は、今の現実のまえには、一顧の価もないし、むしろ呪わしい気がよけい胸を噛むばかりである。良人はろくな手柄も立てないうちに戦場で足腰も立たないような不具者になってしまった。身分の低い足軽なので、御奉公を退くと、もう半年目から生活にも困り、結局、百姓でもするしかなかったが、その百姓仕事さえ出来ない今の良人であった。
でも、女手で。しかも二人の子を抱いて、桑を摘み、畑を打ち、麦を踏み、数年の貧乏と闘っては来たが、